太極拳に「速度均匀(そくどきんきん)」という言葉があります。
これは、太極拳の型を行う際のスピードについての注意点です。
太極拳はゆっくり動くイメージがあると思います。
実際ゆっくり動いています。
でも、ただ「ゆっくり」動くというだけではありません。
均一なゆっくりで動いているのが太極拳なのです。
ゆっくりだけど、ここは少し早めのゆっくり。
ここの部分は、さらにゆっくり。
という感じではダメです。

型を開始し始めてから型が終わるまで、最初から最後まで一貫して同じスピードで行っていきます。
型にはストーリーのようなものがありますが、スピードにはストーリーはありません。
起承転結がスピードでは表れされません。
初めから終わりまで全部同じスピード
これを速度均匀といいます。
速度均匀を別の言い方でいうと「等速」です。
なので太極拳の型はスピードと言う面からみるとのっぺりしています。
とくに太極堂(太極拳健康教室)で行っている太極拳は、太極拳らしい過度な装飾(いかにも太極拳的なポーズ)も控えめです。
だから余計に素朴な感じの太極拳になります。
動作も派手ではなくスピードも起伏がなく。
そんな太極拳です。

スピードの起伏がないということは、メンタル面も起伏がないということです。
型を行っている間は最初から最後まで同じメンタルで行います。
この同じメンタル、メンタルの起伏を起こさない。
というもの大事なポイントになります。
同じスピード、同じ速度で動くコツの一つとしては、普段行っている非常での動き。
例えば家事などを行う時の速度ですね。
この日常的な速度よりも遅く行うということが目安の一つになります。