太極拳を別の言い方で表現すると、統一した存在を目指すこと。
と言えるかもしれません。
例えば、動きは意識的に行います。
人間は動くときに意識的に動くのではないのか?
と思われるかもしれません。
でも、意外と意識と動きはつながっていないことがあります。
わかりやすいのは初心者の動き。
はじめて太極拳を始めると、同じように動こうと思っても同じようにならないことが多いです。
これは動作に慣れていない。
ということ。
でも、頭では上手な人の動きをみて自分でも同じようにしてみようと思っているはず。
でも、同じようにならない。
これは太極拳に限らず何にでも見られる現象ですね。
では、何故同じようにならないのか。

それは、「意識している動き」の量と質が違うからと言えます。
「意識している動き」の量と質が違うとは?
例えば、中級者上級者になってくると同じ動作をしながらも、
首や肩、お腹や背中、手や足、肘や膝、肩や股関節。
などを同時に「意識」していたりします。
正確に?いうとしたら「同時に意識」というより。
「同時に意識出来ている」状態にしているといえるかもしれません。
仮に「意識」が行われている場所を「心」とすると。
慣れないうちは心が肩を意識するだけで精一杯かもしれません。
でも慣れてくると、肩を意識しながら股関節を意識出来たりします。
これは、肩と股関節の動きが一致してくるように「意識」している訳です。
慣れてくると肩と股関節を「意識」しなくても、肩と股関節の動きが一致するようになります。
このときにどういうことをしているかというと、
これはあくまで比喩ですが、
肩と股関節が一致した状態が「心」に形成されて、その状態を「意識」する。

ということになります。
なんだか難しい話になってきますが、こうやって太極拳の型とその動きが出来上がってくる。
という感じです。
これは、あくまでも一面にフォーカスした比喩ですけどね。