太極拳は、上半身と下半身の連動も重視します。
これは、分かりやすくいうと、上半だけ動いてもダメ。
下半身だけが動いてもダメ。
ということです。
体幹と下半身でみるとわかりやすいですね。
移動しようとするとき、太極拳は重心移動を大切にします。
重心移動をスムーズに行おうとするときは下半身が動くというのは分かりますよね。
このとき、リラックスしていれば体幹は下半身(下肢)の動きに沿います。
足だけ動いて体幹がずっと同じ場所にいると移動できませんよね。
このとき、「下半身が体幹を運ぶ」状態になります。
このときは、下半身の動きに体幹が「沿う」という形です。

では、上半身だけの動きの時はどうか?
基本は、上半身が動く時も、連動して下半身も動いています。
一見すると腕だけを動かしているようなときでも、その動きに連動して下半身も動きます。
正確には、腕だけ動いているようにみえる動きでも、その動きは下半身から主導されています。
本来なら下半身の動きは丹田からの主導なので、腕だけが動くようなときでも。
丹田 → 下半身 → 体幹 → 腕
という経路で動きが発生します。
どうして、太極拳ではそのような動き方をするのか?
いろいろ考えられますが、太極拳は人間の身体が持っている「自然」な動きを利用しようとします。
このときの「自然」というのは、東洋医学的な意味合いが強いです。
動きと経絡の連動なども関係があります。
だからと言って太極拳以外の動き方が「自然」でないということではないのです。
太極拳の動きの特徴としては身体のバーツにかかっている重量を動きに巧みに使用します。

その動きによっていわゆる「気血水」の流れが良くなり整います。
私の場合今のところ、それらの現象を含めて「自然」と考えています。
筋トレでも血流の流れは良くなります。
ただ、そこにどのような思想があるがということが身体にも影響していると思います。
「気」という概念や東洋医学の人間観が入っているのとそうでない場合はフォーカスするものや重要視するものが変わってきます。